身体に良いだけに傾倒しない
どんなに身体に良いと分かっていても、美味しくない食事は長続きしません。
療養食は仕方がないですが、普段の食事を身体に良いだけに追求したものにしてしまうと、味は二の次になってしまいがち。
昔ながらの素材や調味料を使って作る料理を食べていると、添加物などの偽物で盛られた食事をだんだんとおいしいと思えなくなってきます。それにつれて、昔ながらの伝統的製法で作られた調味料、添加物、偽物なしで作られた食事を身体が欲するようになります。
偽物よりも本物。それこそが真に美味しい料理だと考えます。そしてまた、そういった食事を続けていくことで、病気になりにくい身体へと変わっていく気がしています。
お医者さんが進める健康料理、薬膳、素食、精進料理、マクロビをいろいろ学んできましたが、数値にこだわり過ぎた料理は、「身体に良さそうだけど・・・」と家族には不評。
妙に塩気を抑え過ぎていたり、お肉などの動物性のものが全くなかったり、油っけがさっぱりだったり、減砂糖し過ぎていたり、、、
カロリーとgだけにこだわって作ったりする料理は、残念ながら美味しいと思えませんでした。
身をもって経験してきた食の大切さ
私は、若い頃から健康オタクでした。「太りたくない」という強迫観念が強かったからか、摂食障害に陥るほど、体内に良く分からないものを入れることに異常なほどの恐怖を感じていました。
ですので、巷にあふれるいろんな健康法、美容法にチャレンジしてきました。ベジタリアンもいろいろやりましたし、○○ダイエットなるものもいっぱい試してきました。30年くらいずっといろんな情報に振り回され、振り返ってみると実は食生活の改悪につながるようなことばかりをしてきました。
そのようにいろんな食事法を経験してみて「○○ダメって決めつけるのではなく、いろんなものをバランスよく、そして身体の声に耳を傾け、身体が欲するものを食べるのが身体に合っているんだな。」「命を戴いているのに、なんて高慢なんだろう」ということにやっと気が付きました。と同時に、自然と摂食障害も改善していきました。
良い食事をしていると、そうじゃないものを食べた時には、まずは舌からその次は胃腸から違和感や拒否反応が生まれてきます。
それに、ちゃんとご飯を食べ、バランスよくおかずを食べていると、不思議なことに自然と間食の量や内容にも変化が出てきます。無理してダイエットしなくても、甘い物や刺激物を食べたいという気持ちが生まれなくなるんです。身体って本当に正直です。
楽しみの一つである「食べること」の価値をもっと高められたら
ですので、spice curry cafe & School atrucco では、食べ応えが合って美味しい。そして美と健康に良い。そんなお料理を目指しています。
食事はおいしく食べてこそ意味があるものですし、美味しいからこそ食べられるものです。
それに、いくつになっても美味しいものを食べる、食べられるということは、健康のバロメーターですし、生きている上で大部分を占める楽しみの一つでもあります。
日々の食事は、心と身体作りにとって何よりも大切です。
その日々の食事が、美味しくて健康と美につながるものであれば、家族みんなの健やかな成長につながると思うんです。
このように、生きていくうえで欠かせないことの一つであり、楽しみの一つでもある「食べること」の価値をもっと高めていく。
そういう形で、「今を生きる方々」と「未来を生きる子供たち」の喜びや心身の健康と美の一助になれたら幸いですし、微力ながら貢献していけたらと願っています。